月曜日は普段に比べてわりと好きに時間が使える日なんです。データを調べたり1週分の予定を立てたりするのですが、たまには別の事でもやってみます。
と言う事で、馬券には全く関係の無い事ですが普段とは違う視点で見るJRAについて。
平成 22 事業年度の業務の実施状況を読んでみました。
発売金額: 2 兆 4,356 億 2,652 万 9,000 円
国庫納付金: 約2,447 億 5,000 万円
JRA売り上げ推移
売り上げの規模はピーク時の約半分。平成元年と同じくらいにまで下がってきています。
職員一人当りの効率: 売得金額/職員数 約13億円
非常に優良企業。
敢えてわざわざこんな項目を上に持ってきているので、相当アピールしたいポイントなのでしょう。
これより下の金額は分かり易いように、億単位以下は切り捨てています。
特別振興資金
その他競馬(馬術競技を含む。以下同じ。)の健全な発展を図るため必要な業務: 12億
平成19年は54億
畜産振興事業: 19億
平成19年は44億
払戻金への上乗せ : 43億
地方競馬全国協会が行う「競走馬生産振興業務」への交付金:
地方競馬全国協会が行う「認定競馬活性化計画補助業務」への交付金:
合計 15億
平成19年は23億、20年は20億、21年は31億。
畜産振興事業よりも少ないですね。
そして注目すべきは、これらの助成金の減り具合。どれもガンガン減っています。
子会社
JRAシステムサービス㈱
一般的にはJRA-VANとして有名な所。
売り上げ: 28億
売上高中の競馬会との取引額: 23億
当然ですが、ほとんどがJRA絡み。
払戻金への上乗せの半額程度です。で思うのですが、JRA-VANの代金なんて無料で配布出来る規模なのでは?
ちなみに、グリーンチャンネルはどうかといいますと、事業内容のPDFを見てみます。
視聴料収入が約36億で諸々含めて37億の収入。でも支出が約34億。これってどうなの?という数字なっています。
有料視聴者数が28万人。
この内ネット経由で見ている人がまだ1万5千人程度。残りが衛星放送とケーブルテレビ。
衛星放送が無くなれば、配信コストはかなり下がると思われます。ネットワークのトラフィック量が大幅に増えるとしても、それは基本的に一般企業が休みの土日限定。
また、グリーンチャンネルには競馬部門以外にも、加入者のほとんどの人が見ないであろう畜産系の番組も豊富です。これも別枠に移行すれば、制作費の削減になりますね。
加入促進広告の掲載として、
・JRA機関誌「優駿」年12回
・「AーPAT優駿」年24回
が報告されています。
詳細な広告費がありませんが、どこまで効果があるのかは微妙な気が・・・。大人の事情なんでしょうかね。
これだってちゃんと経営すれば充分コストを削減する事は可能なはずで、JRAが無料で配信できるレベルまで行けそうです。
とは言え、VANもグリーンチャンネルも、ユーザーのために無料になる事は無いでしょうけどね。
平成 22 年度の各種実績
さて、JRAの業務報告書にもどりますと、24Pからが競馬ファンにとって参考になる部分。
開催場における自場分 1,094 億
〃 他場分 632 億
競馬場の合計が1700億円。
パークウインズ 1,842 億
場外発売所 7,393 億
場外の合計が9000億円。
電 話 投 票 1 兆 3,394 億
競馬場の売り上げ少な!
前年比をみると、競馬場とPATの差は益々広がっていく気配です。
これは「競馬場入場者数」が減り続けているのに比例しています。
例えば今流行のWIN5にしてもPATのみでの発売。これだけ分母に差があると当然だと思います。
設備投資をして売り上げの少ない競馬場に新システムを導入するより、WIN5買いたいなら「競馬場でPATで買ってね」というメッセージなのかも知れませんね。
・ 発売金に占める重賞競走の割合は 30.8%(前年実績 31.3%)、GⅠ競走の割合は 15.0%(前年実績 15.3%)。
・ GⅠ競走の発売金は対前年比 91.7%となり、前年実績を上回った競走は、全 22 競走中 1 競走。
・ 現金投票における一人当たり購買額は 15,014 円(対前年比 97.2%)、電話投票における一人当たり購買額は 14,047 円(対前年比 96.5%)。
・ 電話投票会員数(平成 22 年度末)は、3,125,190 名(対前年比 100.2%)
PAT会員って300万人もいるんですね。思っていた以上に多い。
馬券別の売り上げシェア(22年度)
単勝: 4.2%
複勝: 6.4%
枠連: 3.8%
馬連: 15.1%
ワイド: 4.8%
馬単: 9.8%
3連複: 18.7%
3連単: 37.3%
意外と複勝が売れています。ずっとシェアの伸ばし続けているので、更にアップするかも知れません。
でもワイドは5%未満。これは、馬単・3連複が発売された以降にガクッと落ちたため。
3連単は点数が増える分、自動的にシェアは高くなってしまいますね。
単勝と馬単の比率がこれだけ違うのにも、個人的には興味がある所。
まず、馬単1着固定総流し=単勝1点というのが理論的な意味ですよね。
そこから、不要な2着馬を絞って行くと、ただ単勝を買うよりも回収率が上がっていきます。(その分、外れるリスクも上がります)
似たような感じで、ワイド総流し=複勝1点というのも同じ意味。
でも馬単・単勝とワイド・複勝のシェアを見ると、全く逆の傾向になっています。
ワイドが売れていないというよりも、複勝が売れているのでしょう。
調教助手・厩務員数の推移
厩務員の数はずっと減り続けており、逆に調教助手の数が増えてきています。あと数年以内に逆転しそうな勢い。
助成金交付事業
助成金交付事業もなかなか面白いです。
競馬博物館運営事業の運営費が2億円。
海外への日本競馬情報発信事業は8千万円。内容が、 「中央競馬のGⅠ競走の映像を海外に配信するとともに、Web上において日本の競馬に関する情報を発信する。」
これに8千万かけますか・・・。
発注先にボラれているか、子会社へのズブズブ料金ですかね。
生乳生産合理化事業・高能力乳用牛選抜システム開発事業:(社)家畜改良事業
内容は、
「乳用牛の能力向上による生乳生産コストの低減を図るため、ゲノム上の一塩基多型(SNP)解析技術を活用した優良な国産乳用種雄牛の選抜のための新たな遺伝的能力評価手法を確立し、選抜された国産乳用種雄牛の利用を拡大する」
こんな事までやっているんですね。
交付決定額は、なんと4億5千万円。
牛ゲノムよりも豚ゲノムの方が安いようで、豚さんは1億7千万円。
これらを含む、畜産事業は(財)全国競馬・畜産振興会を通じて実施されています。そこに流れている金額は約20億程度。
この報告書を読んでいると、金銭感覚がおかしくなってきます。数億程度なら、「まぁ安いか!」と思えてくる。
馬券本に飽きた方には、たまにはこういった物を読むのも良いかと。
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